【館山市】うみこと歩く館山城③|館山に城を移した理由・なぜこの場所だったの?
観光・レジャー 📅 2026年6月19日 00:28

【館山市】うみこと歩く館山城③|館山に城を移した理由・なぜこの場所だったの?

前回は、拠点を転々と移してきた里見氏が、最後にたどり着いたのが館山城だった——というところまで歩きました。でも、ふと疑問が湧きます。稲村城も岡本城もあったのに、なぜ里見義康は、わざわざ館山を選んだのでしょう?

「うみこと歩く館山城」第3回のテーマは、ずばり「なぜこの場所だったの?」。館山城がこの地に築かれた理由を、館山湾の景色とともに歩いていきます。

うみこ おじさん、前回ずっと気になってたんです。里見氏っていろんなお城を持ってたのに、どうして最後にわざわざ館山に本拠を移したんですか? 何か理由があったんですよね?
タテヤマおじさん 大ありだよ。いちばん大きいのは「時代が変わった」ってことだ。天正18年、1590年に豊臣秀吉が小田原の北条氏を倒して、天下を統一しただろ。応仁の乱から100年以上続いた戦乱の世が、ここで終わったんだ。
うみこ あ、前回出てきた北条氏! ついに戦いの時代が終わったんですね。でも、それがお城を移すのとどう関係するんですか?
タテヤマおじさん 城の「役割」が変わるんだよ。戦乱の世なら、敵を防ぐために山奥の険しい山城にこもるのが正解だ。でも天下が落ち着くと、これからは「戦って領地を広げる」より「領地をしっかり治めて、栄えさせる」時代になる。そうなると、人やモノやカネが集まる便利な場所に城を構えたほうが理にかなうんだ。
うみこ なるほど…! 守るためのお城から、治めて栄えさせるためのお城へ。それで館山が選ばれたんですか?
タテヤマおじさん そうだ。館山には大きな湾——館山湾があるだろ。義康はこの湾を、交易の拠点として見込んだんだな。市の史跡の説明にもこう書いてある。「内湾と平野を見下ろす館山に本城を移した」とな。天正19年、1591年、義康は岡本城から、この館山へ本城を移したんだ。
うみこ やっぱり海がポイントなんですね! そういえば里見氏って、もともと海に強い一族だったんですか?
タテヤマおじさん 鋭いな。その通りだよ。館山の前の本城だった岡本城——南房総市にある——は「海の城」と呼ばれてな、里見水軍を動かす拠点だった。海を渡って鎌倉を攻めたこともあるくらいだ。里見氏ってのは、もともと海とともにあった一族なんだよ。
うみこ 海の一族が、いよいよもっと大きな湾と平野のある館山に、どっしり本拠を構えたってことですね。なんだかスケールアップしてる感じがします!
タテヤマおじさん しかもな、館山城はただの軍事拠点じゃなかった。城のふもとには湊を開いて、城下町を整えた。城と湊と町が一体になって動く——そういう新しい時代の城だったんだ。そして、ここがいちばん大事なんだが…この城下町こそが、今の館山の市街地の原型になったんだよ。
うみこ えっ、いまの館山の街って、館山城のここから始まったんですか!? ただのお城だと思ってたのに、町そのものの出発点だったなんて…!
タテヤマおじさん そういうことだ。だから館山城は「観光のお城」ってだけじゃなく、館山の町そのものの出発点なんだ。山頂から館山湾と市街地を見下ろすと、義康がなんでこの場所を選んだのか、景色そのものが教えてくれる。次回は、その城下町をもう少しじっくり歩いてみるとするか。

📜 史実メモ:1591年、館山への本城移転

天正18年(1590年)の豊臣秀吉による小田原征伐で北条氏が滅び、天下統一が果たされました。戦って領地を広げる時代が終わり、領国を治め、経済を発展させる時代へと移り変わります。こうした流れのなか、里見義康は天正19年(1591年)、岡本城から、内湾と平野を見下ろす館山へ本城を移しました。館山城はその後、慶長19年(1614年)に里見氏が改易されるまで、約24年間にわたって里見氏の本城となります。

戦乱の世が終わり、城に求められる役割が「守り」から「治め・栄えさせる」へと変わった——その転換点に、海に開けた館山が選ばれました。館山城は、戦う城から、海と町を治める城への橋渡しだったといえます。そして城のふもとに開かれた城下町は、現在の館山の街へとつながっていきます。次回は、その城下町を歩きます。

今回わかったこと

  • 天正18年(1590年)の小田原征伐で北条氏が滅び、天下統一。戦乱の世が終わった
  • 城の役割が「守る」から「領国を治め栄えさせる」へ。海と平野に開けた立地が有利に
  • 里見義康は天正19年(1591年)、岡本城から、内湾と平野を見下ろす館山へ本城を移した
  • 里見氏は岡本城(海の城・里見水軍の拠点)以来の海に強い一族。館山では城・湊・城下町が一体となり、現在の館山市街地の原型になった

📚 連載「うみこと歩く館山城」の全体像・各回の目次は、まとめ記事「館山城の歴史まとめ|里見氏最後の居城と八犬伝の舞台を歩く」からどうぞ。

次回「うみこと歩く館山城④」は、館山城のふもとに広がった城下町のお話です。「今の館山の市街地は、ここから始まった?」という疑問から、城・湊・町のつながりを歩いていきます。お楽しみに!

出典:

この記事をシェア

💡 地域の情報、お持ちですか?

あなたが見つけたお店・イベント・季節の景色──ぜひ教えてください。記事になるかもしれません。

📝 ネタを送る ↗

この記事を書いたライター

うみこ
うみこ 観光・アウトドア担当

海と空が好きなライター。SUP、シュノーケル、釣り、海水浴……房総の海を全力で楽しむ視点から、アウトドア体験スポットや季節の見どころを紹介します。

うみこの記事一覧 →

新着記事

次に読む