【館山市】うみこと歩く館山城①|今のお城は昔の天守なの?
観光・レジャー 📅 2026年6月17日 01:04

【館山市】うみこと歩く館山城①|今のお城は昔の天守なの?

館山のシンボルといえば、城山公園の山頂に立つ白いお城。館山湾を見下ろすあの姿を、写真やパンフレットで見たことがある人は多いはずです。でも——あのお城って、いったい「いつの時代」のお城なんでしょう?

新シリーズ「うみこと歩く館山城」では、うみこが地元の歴史にやたら詳しいタテヤマおじさんに教わりながら、館山城の歴史を少しずつ歩いてひもといていきます。第1回のテーマは、たぶん館山に来た人がいちばん勘違いしやすいところ。「今のお城は、昔の天守なの?」という素朴な疑問からスタートです。

うみこ おじさん、ずっと気になってたんです! 城山公園のてっぺんにある、あの白いお城。あれって戦国時代からずーっとあそこに建ってるんですよね?
タテヤマおじさん おっ、いきなり核心を突いてきたな。残念ながら違うんだよ。あの天守みたいな建物はな、昭和57年、西暦でいうと1982年に建てられたものだ。中身は「八犬伝博物館」っていう博物館でな。
うみこ えっ、1982年!? じゃあ江戸時代どころか、わたしのお父さんと同じくらいの歳ってことですか…!
タテヤマおじさん まあそういうことになるな。だから正確には「模擬天守」って言うんだ。昔ここに建っていた天守をそっくり復元したわけじゃない。そもそも里見の時代に、今みたいな立派な天守がここにあったかどうかも、はっきりとはわかっていないんだよ。
うみこ そうなんだ…。てっきり「これが本物の館山城です!」って思い込んでました。じゃあ、本物の館山城ってどこにあるんですか? もう無くなっちゃったんですか?
タテヤマおじさん 無くなってないさ。今うみこが登ってきた、その山そのものが城跡なんだ。標高65.7mのこんもりした独立した丘でな、東と西、それに北側は急な崖になってる。つまり自然の地形がそのまま守りになる「天然の要害」ってやつだ。
タテヤマおじさん この城に、天正19年——1591年だな——里見義康っていう殿様が本城を移してきた。館山城ってのは、その里見氏にとって最後の本拠地になった城なんだよ。
うみこ 山ぜんぶがお城! なんかロマンありますね。じゃあ登っていったら、石垣とかお堀とか、戦国時代の跡がいっぱい見られるんですか?
タテヤマおじさん それがな…正直に言うと、はっきり残ってる遺構は多くないんだ。今のところ確認されてるのは、御殿があった跡と、鹿島堀っていう堀の跡くらい。実はこの山、戦争中に高射砲の陣地が置かれて、山頂が7mも削られちまったんだよ。
うみこ 7メートルも! お城のてっぺんが、そんなにごっそり…。なんだかちょっと切ないです。
タテヤマおじさん だろ。だからここは「ドカンと立派な石垣を見にいく城」じゃないんだ。でもな、なぜここが城に選ばれて、なぜ今この形になったのか——その物語を知って歩くと、見え方がまるで変わる。昭和35年、1960年には、ちゃんと館山市の指定史跡になってる、れっきとした歴史の現場なんだよ。
うみこ なるほど…! つまり、てっぺんの白いお城=1982年にできた博物館、そして山ぜんぶ=本物の館山城跡。この2つはちゃんと分けて見るのがポイントなんですね!
タテヤマおじさん そういうことだ。覚えが早いな。しかもその博物館の中じゃ、「南総里見八犬伝」にまつわる版本や錦絵がずらっと見られる。本物の城跡を自分の足で歩いて、博物館で物語の世界ものぞける。両方できるのが城山公園のいいところなんだ。

📜 史実メモ:2つの「館山城」

城山公園の山頂に建つ三層四階の天守風の建物は、昭和57年(1982年)10月31日に開館した館山市立博物館分館、通称「八犬伝博物館」です。戦国時代の天守がそのまま残っているわけではなく、「館山城らしさ」を形にした模擬天守にあたります。いっぽう、館山城跡そのもの(城山の丘陵)は昭和35年(1960年)6月16日に館山市の指定史跡となっています。ふもとには昭和58年(1983年)開館の博物館本館もあり、こちらの歴史展示室で里見氏の興亡をたどれます。

うみこのように「あれが戦国時代のお城」と思って訪れる人は少なくありません。でも、現在の建物と本物の城跡を分けて見るだけで、城山公園はぐっと面白くなります。山頂からは鏡ヶ浦とも呼ばれる館山湾と市街地が一望でき、なぜ里見氏がこの場所を選んだのかが、景色そのものから伝わってきます。その「なぜ」は、次回からじっくり歩いていきましょう。

今回わかったこと

  • 山頂の天守風の建物は、昭和57年(1982年)開館の模擬天守「八犬伝博物館」。戦国時代の天守ではない
  • 本物の館山城跡は城山の丘陵全体。昭和35年(1960年)に館山市指定史跡となっている
  • 天正19年(1591年)、里見義康がこの館山に本城を移した(里見氏最後の居城)
  • 遺構は御殿跡・鹿島堀跡など限定的。戦争中に山頂が約7m削られた

館山城・城山公園 メモ
所在地:千葉県館山市館山351-2(城山公園内)
開館時間:午前9時〜午後4時45分(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜(祝日・振替休日の場合は開館し翌日休館)、年末年始
駐車場:城山公園に駐車場あり。土日祝は麓から山頂下の茶室駐車場まで無料シャトルカーが運行(午前10時〜午後3時)
公式:館山城・城山公園

次回「うみこと歩く館山城②」は、館山城を語るうえで外せない主役——里見氏のお話です。「里見氏ってそもそも何者なんですか?」といううみこの疑問から、房総半島を治めた一族の正体に迫ります。お楽しみに!

📚 連載「うみこと歩く館山城」の全体像・各回の目次は、まとめ記事「館山城の歴史まとめ|里見氏最後の居城と八犬伝の舞台を歩く」からどうぞ。

出典:

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この記事を書いたライター

うみこ
うみこ 観光・アウトドア担当

海と空が好きなライター。SUP、シュノーケル、釣り、海水浴……房総の海を全力で楽しむ視点から、アウトドア体験スポットや季節の見どころを紹介します。

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