この夏、館山でこのあと残っているのは洲崎神社の例祭・みのこ踊り(8月20日〜22日)だ。21日に県指定無形民俗文化財の奉納舞と、神輿が148段の急坂を降りる「御浜出」がある。
秋まで待つならやわたんまち(9月19日・20日)。夏の行事の一覧は館山・南房総 夏祭り・伝統行事まとめにある。
知ってるか?館山の南、神戸(かんべ)地区にある安房神社はな、安房国一の宮。延喜式にも載る古い社で、祀られているのは天太玉命(あめのふとだまのみこと)だ。この神さまが阿波(徳島)から黒潮に乗って渡ってきて、この安房の地を拓いたっていう話が、社名の由来にもつながってるんだよ。
その安房神社で、毎年8月9日と10日に例大祭が行われる。9日の宵宮は子ども神輿が出て、10日の本祭では神輿と山車がくり出すんだ。古くから「磯出(いそで)の神事」とも呼ばれていてな、海辺に集まって神さまを迎えた、はるか昔の言い伝えにつながる祭りなのさ。
普段は静かな杜が、この2日間だけは太鼓と掛け声で沸き立つ。なんでこんな山あいに一の宮があるのか――そんなことを考えながら参道を歩くと、房総の成り立ちが見えてくる。境内は森に囲まれて夏でも涼しいから、お参りがてら寄ってみな。
祭りのない日でも、安房神社は寄る値打ちがある。天太玉命は忌部氏の祖神で、この一族が阿波から黒潮に乗って渡り、麻や穀を植えて土地を拓いたと伝わる。「安房」という地名そのものが「阿波」から来ているという説だ。境内の裏手には洞窟遺跡があって、縄文時代の人骨が出ている。この土地に人が住み続けてきた長さが、そこで実感できるんだよ。
会場:安房神社(千葉県館山市大神宮589)/アクセス:JR館山駅からJRバス「安房神社前」下車、徒歩約5分/駐車場:境内に無料駐車場あり。例大祭当日は混み合うため、時間に余裕をもって向かうこと。
出典(2026年8月13日確認)