【館山市】うみこと歩く館山城 番外編|おじさんの館山城こぼれ話
観光・レジャー 📅 2026年6月26日 09:06

【館山市】うみこと歩く館山城 番外編|おじさんの館山城こぼれ話

全8回の連載「うみこと歩く館山城」、最後までお付き合いいただきありがとうございました。今回は番外編。城山公園の麓にある甘味処「里見茶屋」でひと休みしながら、本編に入りきらなかった小ネタを、うみことタテヤマおじさんが気楽に雑談します。お茶とお団子を片手に、館山城こぼれ話をどうぞ。

うみこ 連載おつかれさまでした、おじさん! ……あっ、このお団子おいしそう! 「房州里見だんご」って書いてあります。ここ、里見茶屋っていうんですね。
タテヤマおじさん 城山公園の麓にある甘味処でな、歩き疲れたらここでひと休みだ。その「房州里見だんご」が名物でな。実はそのだんご、八犬伝の八犬士にちなんで、8種類の餡がのってるんだぞ。
うみこ 八犬士の「8」だ…! 食べ物にまで里見が生きてるんですね。いただきます! ……んん〜、おいしい! こうしてお茶しながら聞くこぼれ話、なんだか贅沢です。
タテヤマおじさん だろ。じゃあ早速ひとつ。うみこ、ここから見える館山湾、別の呼び名を知ってるか? 「鏡ヶ浦」っていうんだ。
うみこ 鏡ヶ浦…! きれいな名前。どうしてそう呼ばれるんですか?
タテヤマおじさん 洲崎と大房岬にぐるりと抱かれていて、波がとても静かでな。鏡みたいに穏やかで、晴れた日には対岸の富士山まで水面に映す。それで「鏡ヶ浦」だ。第7回で山頂から眺めた、あの海のことだよ。
うみこ 富士山が映るなんてロマンチック…! 義康があの景色を選んだのも納得だなぁ。
タテヤマおじさん さて、だんごのお供に八犬伝の話でもするか。あの大長編を書いた曲亭馬琴、実はな、書いてる途中で目が見えなくなっちまったんだ。天保10年、1839年、73歳で失明している。
うみこ えっ、失明…!? じゃあ、最後まで書けなかったんですか?
タテヤマおじさん それが、書ききったんだ。失明したあと、息子の嫁の「お路」さんに口述筆記をさせてな。馬琴が語って、お路さんが書き取る。そうやって、ついに八犬伝を最後まで完成させた。執念だろう。
うみこ 目が見えなくなっても、あきらめずに…! お路さんもすごい。二人の執念が、あの物語を完成させたんですね。胸が熱くなります。
タテヤマおじさん しかも馬琴ってのは、ただの作家じゃない。八犬伝の大ヒットのおかげで、ほぼ原稿料だけで暮らしを立てられた、日本で初めての「専業作家」とされてるんだ。それまでの作家は、たいてい別に本業を持っていたからな。
うみこ 小説を書くことだけで食べていけた、最初の人…! 今でいうプロの小説家の元祖なんですね。すごい。
タテヤマおじさん その八犬伝、人気は江戸時代だけじゃないぞ。ぐっと時代が下って、昭和48年、1973年から、NHKで人形劇『新八犬伝』が放送されてな。これが大人気だった。坂本九さんの名調子の語りでな、夕方の放送時間になると公園から子どもが消えた、なんて言われたくらいだ。
うみこ 公園から子どもが消える!? それだけ夢中にさせたんだ…! 江戸時代に生まれた物語が、何百年も経っても愛されてるなんて、すごいことですね。
タテヤマおじさん そうだ。物語の力ってのは大したもんだよ。…さて、だんごもなくなってきたな。うみこ、最後に聞きたいことがあるんじゃないか?
うみこ あります! ずっと気になってて。第1回で「今の天守は模擬天守」って習いましたけど…結局、昔はあそこに本物の天守があったんですか?
タテヤマおじさん いい質問で締めるなぁ。それがな、戦国時代のあの場所に、今みたいな立派な天守が本当にあったのかは、実ははっきりわかっていないんだ。だから今の建物は「復元天守」とは言わず、「模擬天守」と呼ぶ。「館山城らしさ」を昭和になって形にしたものなんだよ。
うみこ 第1回の話に、ぐるっと戻ってきました…! わからないことが残ってるのも、なんだかロマンですね。ごちそうさまでした、おじさん。番外編、すごく楽しかったです!
タテヤマおじさん こういう小ネタを頭の片隅に入れて歩くと、城山公園がもっと面白くなる。歴史ってのは、知れば知るほど足元が楽しくなるもんだ。さあ、お茶も飲み終えたら、もうひと歩きするとするか。

📜 館山城こぼれ話まとめ

  • 城山公園麓の里見茶屋の名物「房州里見だんご」は、八犬伝の八犬士にちなんだ8種の餡がのる
  • 館山湾の別名は「鏡ヶ浦」。波静かで鏡のよう、晴れた日は富士山を映すことから
  • 『南総里見八犬伝』の作者・曲亭馬琴は天保10年(1839年)に失明。息子の妻・お路の口述筆記で完成させた
  • 馬琴は八犬伝の大ヒットで、ほぼ原稿料だけで生計を立てた日本初の専業作家とされる
  • 八犬伝は後世も愛され、昭和48年(1973年)からNHK人形劇『新八犬伝』が大人気となった
  • 戦国期にあの場所に天守があったかは不明。今の建物は「復元」ではなく「模擬天守」

里見茶屋 メモ
所在地:千葉県館山市館山236(城山公園内・麓)
名物:房州里見だんご(八犬士にちなんだ8種の餡)
駐車場:城山公園駐車場を利用
※営業時間・定休は変わることがあるため、おでかけ前に最新情報の確認を。

📚 連載「うみこと歩く館山城」全8回は、まとめ記事「館山城の歴史まとめ|里見氏最後の居城と八犬伝の舞台を歩く」から各回をたどれます。まだの方は、第1回からぜひどうぞ。

番外編、いかがでしたか。本編で歴史の流れをたどり、こぼれ話で細部を知ると、城山公園はもっと奥行きのある場所になります。館山にお越しの際は、里見茶屋でひと休みしつつ、これらの小ネタを思い出しながら歩いてみてください。「うみこと歩く館山城」、最後までありがとうございました!

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この記事を書いたライター

うみこ
うみこ 観光・アウトドア担当

海と空が好きなライター。SUP、シュノーケル、釣り、海水浴……房総の海を全力で楽しむ視点から、アウトドア体験スポットや季節の見どころを紹介します。

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